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(解答)
 
 割り切れる割り算で、商が整数とわかっていれば、3桁÷2桁の割り算は、商の10の位は概算で求め、1の位は九九を使って判断します。
 
(1) 525÷21
  21×20=420,21×30=630
  (九九の)1の段の答えが5となるのは、1×5のみ
  よって、525÷21=25
(2) 792÷22
  22×30=660,22×40=880
 

2の段の答えの1の位が2となるのは、2×1=2または2×6=12

  792は660と880の中間ぐらいなので、792÷22=36
(3) 731÷43
  43×10=430,43×20=860
  3の段の答えの1の位が1となるのは、3×7=21のみ
  よって、731÷43=17
(4) 644÷14
  14×40=560,14×50=700
  4の段の答えの1の位が4となるのは、4×1=4または4×6=24
  644は560と700の中間ぐらいなので、644÷14=46
(5) 575÷25
  (575×4)÷(25×4)=2300÷100=23
(6) 684÷36
  36×10=360,36×20=720
  6の段の答えの1の位が4となるのは、6×4=24または6×9=54
  684は360と720を比べると720に近いので、684÷36=19
(7) 957÷87
  87×10=870,87×20=1740
  7の段の答えの1の位が7となるのは7×1=7のみ
  よって、957÷87=11
(8) 384÷48
  48×10=480なので、商は1桁
  8の段の答えの1の位が4となるのは、8×3=24または8×8=64
  384は0より480に近いので、384÷48=8
(9) 841÷29
  29×20=580,29×30=870
  9の段の答えの1の位が1となるのは9×9=81のみ
  よって、841÷29=29
 
(解説)
 
 割り切れる割り算は、除数(割る方の数)の1の位に注目します。
 (A) 1の位が1,3,7,9の場合
 (B) 1の位が2,4,6,8の場合
 (C) 1の位が5の場合
 (D) 1の位が0の場合
 
 (A) 1の位が1,3,7,9の場合
 九九で1,3,7,9の段は答えの1の位が全て異なります。
 たとえば、3の段
  3×1=3 3×2=6 3×3=9
  3×4=12 3×5=15 3×6=18
  3×7=21 3×8=24 3×9=27
  (3×0=0    
 答えの1の位を見れば、全て異なっていて、なおかつ1(0)から9までそろっています。
 これは1,7,9の各段でも同様です。
 この性質を割り算に利用します。
 (3)の問題で確認すると、
 731÷43
 パッと見て、731は、43の10倍台だとわかります。
 解答では概算とはいえ正確な範囲が分かるように記載しましたが、実際に計算するときは、何十倍台かわかれば十分です。
 つまり、731は、43の10倍台だと判断できれば、430とか860とか細かい数は不要です。
 また、43を何倍かしたときに1の位が1となるのは、43にかけた数の1の位が7であると、九九の3の段でわかります。
 言い換えると、被除数の1の位が1で除数の1の位が3の場合、商の1の位は7以外ありえないということです。
 以上により、731÷43の商は、17です。
 このように考えると、除数の1の位が1,3,7,9のときは、簡単に商を求められます。
 
 (B) 1の位が2,4,6,8の場合
 九九で2,4,6,8の段は答えの1の位に同じ数が2回ずつ現れます。
  2×1=2 2×2=4 2×3=6
  2×4=8 2×5=10 2×6=12
  2×7=14 2×8=16 2×9=18
  (2×0=0    
 答えの1の位は同じ数(全て偶数)が2回ずつ現れ、その間隔は5ずつあいています。
 これば4,6,8の各段でも同様です。
 この性質を割り算に利用すると、(A)と同様に、何十倍台かを求めて、あとは除数の1の位に注目すればよいということになります。
 ただし、(A)とは異なり、同じ1の位の数が2つずつあるので、その点を考慮しなければなりません。
 とはいえ、幸いなことに、同じ数が現れるのは、どの段でも5ずつの間隔があるので、明確に違いがわかります。
 では、(2)で確認すると、
 792÷22
 792は22の30倍台なので、商の10の位は3
 792の1の位は2、22の1の位は2なので、商の1の位は1か6
 どう考えても、792は660に近いとはいえません。660と880の中間ぐらい。
 ということで、792÷22=36 
 仮に、1の位が1、すなわち、31の場合、22×31の積は682なので、かなり660に近く、792にはほど遠いので、正しい答えとは明らかに違います。
 逆に、682÷22という問題があった場合、682は660に近いので、商は31と分かるのです。
 
 なお、除数が偶数、商が整数で余りが出ない場合、被除数は偶数です。
 すなわち、被除数が奇数で除数が偶数の場合は、必ず余りが出ます。
 (奇数×奇数=奇数,奇数×偶数=偶数,偶数×偶数=偶数)
 
 (C) 1の位が5の場合
 九九の5の段は答えの1の位が5または0になります。
 このことから、
 被除数の1の位が5の場合、商は奇数
 被除数の1の位が0の場合、商は偶数
 以上のようになりますが、これは(A)(B)とは異なり、単なる目安です。
 これだけでは商の1の位を判定する材料にはなりません。
 むしろ、被除数と除数を同時に2倍,4倍するなどの工夫をして簡単な割り算に変換してください。
 
 (D) 1の位が0の場合 
 被除数,除数ともに10で割れば2桁÷1桁になります。
 
 (A)も(B)も最も重要なポイントは、被除数,除数,商の1の位の関係です。
 これさえ理解すれば、3桁÷2桁の余りのない割り算は、暗算でできるようになります。
 3桁÷2桁の割り算の筆算では、計算の過程で、かけ算を2回とひき算を2回(割り切れるので実質1回)、しかも正確にしなければなりません。
 一方、ここで紹介した方法の場合、概算が1回と九九が1回ですみ、圧倒的に計算の手間が省けます。
 
 なお、商が2桁以下の整数で、余りがない割り算であれば、被除数と除数が何桁であっても同様に計算できます。
 
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