平家物語・巻第十一(原文・現代語訳)

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■ 平家物語・巻第十一
あらすじ   一の谷で大勝した源義経は、平家を追撃する。戦いの舞台は、讃岐国屋島。海戦においても、奇襲戦法を駆使した義経は、平家を四国から追い落す。戦いの最中、那須与一は、平家の舟に掲げられた扇を弓矢で射抜いて名を上げる。そんな光景も束の間、源平の戦いは、ついに決戦の地、壇ノ浦へ。序盤は平家有利に見えたが、阿波民部重能の裏切りを機に、形勢は逆転。源氏の勝利は確実となる。敗北を悟った平家の武将たちは次々と入水。平清盛を外戚とする幼い安徳天皇もまた、海の底に。しかし、平家一門の総大将平宗盛と嫡男清宗は、死にきれず、捕虜となる。戦いの後、二人は京、鎌倉と引き回され、最期は、近江篠原で迎える。ここに、平家は滅亡し、源頼朝が覇を唱える新たな時代が始まるのであった。
□ 平家物語・巻第十一の原文・現代語訳(口語訳・解釈)
逆櫓 元暦二年正月十日…』:後白河法皇、源義経に平家追討を下命
  さる程に屋島には…』:屋島において悲しみにくれる平家の人々
  同二月三日…』:不慣れな海戦に懸念を示す源氏の武将たち
  梶原申しけるは…』:逆櫓の設置をめぐり、深刻な対立に至る源義経と梶原景時
  やうやう日暮れ…』:強風を危険と判断する船頭の進言を退け、屋島に向けて出港する源義経
  残りの船は風に恐るるか…』:通常三日かかる航程を六時間で渡海した源義経
勝浦 夜、既に明けければ…』:源義経、阿波勝浦に到着
  判官汀にうつ立つて…』:勝浦という地名の縁起よさに喜ぶ源義経
  能遠が城に押し寄せて見れば…』:源義経、桜間の介能遠の城を攻略
大坂越 判官、近藤六親家を召して…』:阿波から讃岐へ進軍する源義経
  夜半ばかり…』:京の女房から平宗盛へ送られた手紙を横取りする源義経
  明くる十八日の寅の刻に…』:屋島の戦い、開戦
嗣信最期 九郎大夫判官、その日の装束には…』:後藤実基、屋島の内裏を焼き払う
  越中次郎兵衛盛嗣…』:平盛嗣と伊勢義盛の詞戦
  能登守教経…』:平教経、源義経の前に立ちはだかって守る佐藤嗣信を射落とす
  判官は…』:佐藤嗣信の死をきっかけに、結束を一層固める義経軍
那須与一 さる程に、阿波…』:平家の舟に掲げられた扇を射落とせる者を探す源義経
  与一、その頃は二十ばかりの男子なり…』:若き弓矢の達人、那須与一参上
  矢頃少し遠かりければ…』:扇を射落とす那須与一
弓流 あまりの面白さに…』:那須与一、船上で舞う平家の武者を射倒す
  平家これを本意なしとや思ひけん…』:藤原景清、源氏の美尾屋広徳を撃退
  平家これに心地直して…』:源義経の弓
  さる程に、日暮れければ…』:疲労により寝入る源氏に対し、先陣争いで反撃の機会を失う平氏
志度合戦 明けければ…』:源義経、伊勢義盛を田内教能への降伏勧告の使者として派遣
  義盛、教能にうち並べて…』:田内教能、源義経に降伏し、屋島の戦い終結
  同二十二日の辰刻ばかり…』:梶原景時他源氏の大部隊、屋島に到着するも、戦いに間に合わず
壇の浦合戦 さる程に、九郎大夫判官義経…』:熊野別当湛増、鶏合の結果、源氏に味方す
  元暦二年三月二十四日の卯刻に…』:源義経と梶原景時の関係が悪化し、修復不能となる
  さる程に、源平の陣の間…』:壇ノ浦の戦い、開戦
  新中納言知盛卿…』:味方を鼓舞する平家の諸将
  新中納言は、か様に下知し給ひ、…』:平知盛、阿波重能の粛清を進言するも、却下される
  平家は千余艘を三手に作る…』:山鹿秀遠、平家の先鋒となって、源義経の前進を阻止する
遠矢 源氏の方にも…』:和田義盛、遠矢の距離を自慢するも、平家の新居親清に上回られて恥をかく
  又、判官の乗り給へる舟に…』:新居親清、源氏の浅利与一に遠矢で射倒される
  その後、源平互ひに命を惜しまず…』:イルカが示す平家の凶兆
  阿波民部重能は…』:阿波重能、平家を裏切り、勝敗の帰趨が決する
先帝身投 源氏の兵共…』:二位殿の覚悟
  主上、今年は八歳にならせ給へども…』:安徳天皇、祖母の二位殿とともに御入水
能登殿最期 女院は、この御有様を御覧じて…』:建礼門院、入水するも、源氏方の渡辺眤に救助される
  人々は、か様にし給へども…』:総大将、平宗盛が捕虜となり、源平合戦の勝敗が決する
  大臣殿の御乳母子…』:平宗盛の乳母子、藤原景経、主君の眼前で堀親経に討たれる
  新中納言使者を立てて…』:平教経、源義経に急迫するも、僅かに及ばず、取り逃がす
  ここに土佐国の住人…』:平教経、源氏の安芸太郎次郎兄弟を道連れにして入水
内侍所都入 新中納言…』:平知盛の入水
  元暦二年の春の暮れ…』:源義経、後白河法皇に壇ノ浦の戦いの勝利を報告
  同十四日、九郎大夫判官義経…』:源義経、八咫鏡と八坂瓊曲玉を朝廷に届ける
我が朝には神代より伝はれる霊剣三つあり…』:日本に伝わる三つの霊剣
  昔、尊、出雲国簸河上に下り給ひし時…』:素戔嗚尊、天叢雲剣で八岐大蛇を退治する
  天叢雲の剣は…』:天叢雲剣、日本武尊の東国征討に用いられ、草薙剣の別名を得る
  天の帝の御宇七年に、新羅の沙門道行…』:壇ノ浦の戦いで失われた草薙剣
一門大路渡 さる程に、二の宮帰り入らせ給ふとて…』:京の街を引き回される平家一門
  見る人、都の内にも限らず…』:引き回される平家一門を見物する人々
  大臣殿の御牛飼は…』:平宗盛の元牛飼、三郎丸の忠義
  一年、内大臣になつて悦び申し給ひし時は…』:宗盛の親としての愛情に涙した警護の武士たち
同二十八日、鎌倉の前兵衛佐頼朝朝臣…』:神鏡を安置する内侍所の由来
  さて天照大神…』:天の岩戸の伝説
  遷都、遷幸の後百六十年を経て…』:神鏡と内侍所についての逸話
文之沙汰 平大納言時忠卿父子も…』:平時忠、秘密の手紙を源義経から取り戻すために娘を使って画策する
  さて、女房件の文の事を…』:源頼朝、義経と平時忠の娘との婚姻に激怒
副将被斬 同五月七日、九郎大夫判官…』:平宗盛、幼い息子、副将との再会
  やや久しくあつて大臣殿…』:平宗盛と副将の別れ
  河越小太郎、判官の御前に参つて…』:河越重房の郎等から逃げる副将
  かくて時刻はるかにおし移りければ…』:河越重房の郎等に斬られる副将
腰越 さる程に、大臣殿は…』:平宗盛、源義経によって鎌倉に連行される
  金洗沢に関据ゑて…』:源義経、平宗盛の身柄を頼朝に引き渡すも、謁見は叶わず
  源義経、恐れながら申し上げ候ふ意趣は…』:源義経から大江広元への手紙
  しかれども、幸慶たちまちに純熟して…』:源義経の弁明
大臣殿被斬 さる程に、鎌倉殿…』:源頼朝、平宗盛と対面
  さる程に、九郎大夫判官…』:源頼朝、義経の釈明を受け入れず、上京を命ず
  日数経れば…』:源義経、平宗盛を護送し、近江篠原に到着
  大臣殿涙をはらはらと流いて…』:平宗盛、大原の聖、本性坊湛豪の教戒を受ける
  大臣殿…』:平宗盛、斬首され、平家終焉
  その後、右衛門督をも…』:平宗盛の首、京で獄門
 
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