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学ぶ・教える.COM > 中学受験 > 算数 > 覆面算 > 発展問題1 > 解答
 講座・問題集
 
(解答)
 
 
 A=1の場合、4行目が4桁となるためには、C=9でなければならず、その場合、3行目が99EとなるBとDの組み合わせがないため不適(最大でも117×8=936で99Eとはならない)。
 A≧5の場合、3行目がCCEとなるDはない(D=1→3行目はAAB,D≧2→3行目は4桁)。
 これらにより、A=2,3,4のいずれか。
 AAB×D=CCEで、AABとCCEはともに3桁であり、A×Dは1桁でなければならないことから、D=2,3,4のいずれか。
 次に、積の十と百の位の数字が異なるので、十の位から百の位へくり上がりがある。
 ゆえに、B=D+1
 B=3,4,5のいずれか。
 以上にもとづき、
 ・A=2の場合
 (B,D)=(4,3)または(5,4)
 AAB×Dを計算すると(CCEの形になるかどうか確かめる)、
 (4,3) → 224×3=672で十の位と百の位の数字が異なるため不適。
 (5,4) → 225×4=900で十の位と百の位の数字が異なるため不適。
 ・A=3の場合
 B,Dのいずれかが3となりAと等しくなるため不適。
 ・A=4の場合
 (B,D)=(3,2)
 AAB×D=443×2=886で条件に適する(CCEの形になっている)。
 これにより、C=8なので、AAB×C=443×8=3544で4行目のBFAAの条件と矛盾しない。
 また、積は、443×82=36326で、5行目のBEBDEの条件に適合する。
 
(答え) A=4,B=3,C=8,D=2,E=6,F=5
 
(解説)
 
 3行目が3桁であることから、直感的にAとDが小さい数、すなわち、両方をかけて10以上にならない4以下であると推測できます。
 この2文字はなんとなくわかると思います。
 この問題のポイントは、Bをしぼりこめるかどうがです。
 条件をしぼるためには、すでに分かっているAかDと関連付けられればよいので、探してみると、
 C+A=DとC+A=Bという妙な部分が見つかります。
 仮に、C+Aの和が9以下ならば、こんなことにはならないはずです。
 ということは、DとBはCとAの和の1の位で、実際の、C+A=1Dであって、Bのほうは十の位からのくり上がりの数(1)を含んでいることを意味します。
 そこさえわかれば、あとは解答のように場合わけをして考えれば、正解できると思います。 
 
 3桁×2桁の計算は、中学受験をする方にとっては、かんたんな問題です。
 ところが、ちょっと数字をかくすだけで難しく感じてしまうかもしれません。
 では、なぜ、難しく思えるのでしょうか。
 この問題は、距離=速さ×時間とか三角形の面積=底辺×高さ÷2とかいう算数の知識は必要ありません。
 必要な知識は、小学校の低学年レベル、すなわち、基本的なたし算とかけ算ができれば十分です。
 このような問題を解くために必要なことは、日常の学習において、数の性質や計算のメカニズムを考えながら計算することです。
 0から9までの数には全て個性があります。
 それらが組み合わされ、計算されることによって、各々の数が持っている個性が互いに影響し合い、様々な形となって現れます。
 計算の過程にも解にも、その足跡が刻まれ、一見、無機質に思える数が、自己主張をするのです。
 数の中に込められた多様な情報を理解できるようになったとき、算数、そして、中学以降に勉強する数学が、いっそう面白く思えるはずです。
 一方、深く考えずに数字を見て、漫然と計算しているようでは、このような問題に直面したとき、桁数やくり上がりすら意識できないでしょう。
 計算の速度は重要ですが、考える力を養うことは、もっと重要です。
 
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