平家物語・巻第三(原文・現代語訳)
学ぶ・教える.COM
>
大学受験
>
古文
>
平家物語
>
巻第三
■ 平家物語・巻第三
あらすじ
…
高倉天皇の中宮となった平清盛の娘、徳子は、懐妊の兆候を示すが、強いつわりに苦しむ。その原因が、罪人の怨霊であることを恐れた清盛は、鬼界が島に流した藤原成経と平康頼の赦免を決めたが、俊寛だけは許そうとしない。一人、島に取り残された俊寛は、自らの境遇と妻子の死の知らせに絶望し、食を断って自決する。徳子が皇子を産んだことによって、栄華の絶頂を極めた感のある平家であったが、清盛の嫡男にして人望、能力ともに抜群であった重盛の死により、その前途に暗雲が垂れ込める。唯一の助言者であった重盛を失った清盛は、ついに後白河法皇を京都郊外の鳥羽に幽閉し、法皇と平家の対立は、決定的となるのであった。
□ 平家物語・巻第三の原文・現代語訳(口語訳・解釈)
赦文
『
治承二年正月一日…
』:後白河法皇と平清盛の内心
『
さる程に、入道相国の御娘、建礼門院…
』:高倉天皇の中宮にして、清盛の娘である徳子、懐妊
『
かかりし程に、中宮は月の重なるに随って…
』:怨霊列伝
『
門脇宰相、か様のことども伝へ聞いて…
』:重盛、父清盛に対し、鬼界が島の流人の赦免を説得
『
小松殿帰つて、叔父の宰相殿呼び奉り…
』:鬼界が島の流人、藤原成経及び平康頼の赦免決定
足摺
『
御使は、丹左衛門尉基康といふ者なり…
』:俊寛に鬼界が島残留が告げられる
『
さる程に、少将や判官入道も出で来たり…
』:俊寛、成経に泣き言を言う
『
既に船出だすべしとて、ひしめきあへば…
』:俊寛、地団駄を踏んで泣きわめく
御産
『
さる程にこの人々は、鬼界が島を出でて…
』:成経と康頼、肥前国鹿瀬庄到着
『
さる程に、同年の十一月十二日の寅の刻より…
』:中宮徳子の御産
『
小松の大臣は、例の善悪に騒がぬ人にて…
』:重盛の落ち着きと清盛の動揺
『
御験者は、房覚、昌運、両僧正…
』:言仁親王、後の安徳天皇誕生
『
頭中将重衡、その時は、いまだ中宮の亮にて…
』:親王誕生を喜ぶ人々
公卿揃
『
御乳には…
』:乳母の決定と奇妙な出来事
『
御産によつて六波羅へ参らせたまふ人々…
』:公卿名鑑
大塔建立
『
御修法の結願に、勧賞ども行はる…
』:中宮徳子の安産と親王誕生に関する祈願の論功行賞
『
そもそも、平家の安芸の厳島を…
』:平家による厳島神社信仰のきっかけ
『
さて、都へ上り院参して…
』:清盛に対する厳島大明神のお告げ
頼豪
『
白河院御在位の御時…
』:三井寺の僧、頼豪、白河天皇の祈願である皇子誕生を実現
『
頼豪…
』:三井寺に戒壇建立の所望を白河天皇に拒絶された頼豪、断食により憤死
『
さる程に承暦元年八月六日…
』:頼豪の怨霊により敦文親王夭折するも、良真の祈祷で皇子誕生
少将都帰
『
明くれば治承三年正月下旬に…
』:藤原成経と平康頼、肥前を出発し、都に向かう
『
その墓を尋ねて見たまへば…
』:成経、備前児島にある父、成親の墓に参る
『
その夜は、夜もすがら…
』:成経、父の墓を整え、児島を後にする
『
同三月十六日、少将鳥羽へ明うぞ着きたまふ…
』:成経、鳥羽にある父の山荘、洲浜殿に到着
『
この古き詩歌を口ずさみたまへば…
』:成経と康頼、帰京して七条で別れる
『
少将は、舅、平宰相の宿所へ立ち入りたまふ…
』:成経、家族と再会
有王
『
さる程に、鬼界が島へ三人流されたりし流人…
』:俊寛の召使、有王、主人を訪ねるべく旅立つ
『
薩摩よりかの島へ渡る船津にて…
』:有王、苦難を乗り越えて鬼界が島に到着し、俊寛を探す
『
ある朝、磯の方より…
』:有王、痩せ衰えた俊寛と再会
『
僧都やがて消え入りたまふを…
』:俊寛、有王に島での苦難を語る
『
昔は、法勝寺の寺務職にて…
』:俊寛の盛衰と因果応報
僧都死去
『
僧都現にてありと思ひ定めて…
』:俊寛、有王から家族の死を知らされる
『
僧都この文を顔に押し当てて…
』:俊寛、娘の手紙に涙
『
有王渡つて二十三日といふに…
』:俊寛、断食により自決
辻風
『
同五月十二日午刻ばかり…
』:京で吹き荒れる旋風
医師問答
『
小松の大臣か様のことどもを聞きたまひて…
』:平重盛の熊野詣
『
また、下向の時、岩田川を渡られけるに…
』:岩田川での凶兆
『
下向の後、いくばくの日数を経ずして…
』:重盛、発病
『
重盛いやしくも九卿に列して…
』:重盛、病気の治療を拒絶
『
同七月二十八日、小松殿出家したまひぬ…
』:重盛、病死
無文
『
天性この大臣は、不思議の人にて…
』:重盛が生前に見た凶夢
『
その朝、嫡子権亮少将維盛…
』:重盛、葬儀に用いる無文の太刀を、嫡男、維盛に譲り渡す
燈炉之沙汰
『
総てこの大臣は…
』:重盛、燈籠の大臣と呼ばれる
金渡
『
また、大臣…
』:重盛、宋の育王山に自身の供養を依頼
法印問答
『
入道相国、小松殿に遅れたまひて…
』:大地震と陰陽師、安倍泰親の占い
『
同十四日、相国禅門…
』:清盛が朝廷に報復するとの噂
『
同十五日、入道相国…
』:清盛をなだめるため、後白河法皇が静憲法印を使者に立てる
『
呼び返して…
』:重盛の朝廷に対する功績と臣下の死に対する主君のあるべき姿を、清盛が主張
『
されども内府が中陰に…
』:清盛の朝廷に対する不満
『
この時はいかなる人も…
』:静憲の反論
大臣流罪
『
法印、御所へ参つて…
』:関白、藤原基房、太宰帥に左遷
『
故中殿の御子、二位中将基通は…
』:清盛の娘婿、藤原基通、異例の昇進で関白となる
『
太政大臣師長は…
』:太政大臣、藤原師長、尾張に配流
『
もとより、罪なくして配所の月を見んといふことは…
』:熱田明神における超常現象
『
按察大納言資賢卿子息…
』:源資賢、逃亡に失敗し、信濃に配流
行隆之沙汰
『
前関白松殿の侍に…
』:前関白藤原基房の侍、大江遠成、平家の軍勢に囲まれ自害
『
そもそも、か様に上下多く滅び損ずることを…
』:大粛清の原因究明と事態悪化の予感
『
そのころ前左少弁行隆と聞こえしは…
』:藤原行隆、予想外の復権
法皇被流
『
同二十日、院御所法住寺殿には…
』:平宗盛、後白河法皇の御所を包囲
『
さて、御車に召されけり…
』:後白河法皇を京都郊外の鳥羽殿に幽閉
『
また、静憲法印…
』:静憲、法皇に近侍することを清盛に請願
『
主上は、関白の流されたまひ…
』:高倉天皇の苦悩
城南之離宮
『
百行の中には、孝行をもつて先とす…
』:後白河法皇と高倉天皇、父子の手紙
『
大宮大相国…
』:治承三年の政変による影響
『
法皇は城南の離宮にして…
』:後白河法皇幽閉の地、京都郊外、鳥羽の冬
学ぶ・教える.COM
>
大学受験
>
古文
>
平家物語
>
巻第三
Copyright (C) 2024 学ぶ・教える.COM All Rights Reserved.