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わたの原 ― 大海原。「原」は、大きく広がるさまを表す。 |
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八十島かけて ― 「八十」は、「多数」の意。「かけ」は、動詞「かく」の連用形で、「目指す」の意。 |
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漕ぎ出でぬと ― 六音で字余り。「ぬ」は、完了の助動詞で、「〜てしまった」の意。「と」は、引用の格助詞。 |
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人 ― 「京なる人」すなわち「都にいる人」を表す。この場合は、京に残してきた肉親や知人を含む身近な人々。 |
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告げよ ― 動詞「告ぐ」の命令形で、依頼・懇願を表し、「釣舟」にかかる。 |
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海人の釣舟 ― 「海人」は、「漁師」の意。「釣舟」は、「告げよ」の対象で、擬人化されている。この歌は、篁が隠岐に流された時に詠んだもので、高官であった作者が、漁師の釣舟(身分は低くとも自由にどこへでも行ける漁師)に懇願しなければならない苦悩を表している。 |