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小倉山 ― 京都市右京区の山。大堰(おおい)川をはさんだ嵐山の対岸。トロッコ嵐山駅周辺。紅葉の名所。藤原定家が、この地で百人一首を撰定したことから、後に『小倉百人一首』と呼ばれるようになった。 |
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峰のもみじ葉 ― 後の「心あらば」「待たなむ」の表現によって、「峰のもみじ葉」が擬人化されているとわかる。 |
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心あらば ― 「心」は、人の心。「あらば」は、「動詞の未然形+接続助詞“ば”」で順接の仮定条件。「もしも心があるならば」の意。 |
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今ひとたびの ― 『拾遺集』の詞書によると、宇多上皇が大堰川に御幸された際、その景色を子の醍醐天皇にもお見せしたいとおっしゃったことを受けて、天皇の義理の兄である藤原忠平(貞信公)がこの歌に託して奏上したということ。 |
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みゆき待たなむ ― 天皇の「みゆき」は「行幸」、上皇・法皇は「御幸」。この場合は、醍醐天皇の「みゆき」なので、「行幸」。「なむ」は、願望(他者に対するあつらえ)の終助詞。 |