○ |
このたびは ― 「たび」は、「度」と「旅」の掛詞。 |
○ |
ぬさもとりあへず ― 「ぬさ」は、「幣」で、布や紙で作った神への捧げ物。道中の安全を祈るため用いた。「とりあへず」は、「取りそろえる暇がない」の意。「(紅葉の美しさの前では、)持参した御幣など捧げ物にはならない」とする説もある。 |
○ |
手向山 ― 神に御幣を捧げる山。本来は、普通名詞。奈良県や福岡県には、固有名詞に転じた「手向山」がある。 |
○ |
紅葉の錦 ― 紅葉の美しさを錦に見立てた表現。紅葉の名所である竜田山の竜田姫は、秋の神であり裁縫の神であって、そのことが意識されている。 |
○ |
神のまにまに ― 「まにまに」は、副詞で、「〜するままに任せる」の意で、この場合は、「神の思うままに(お受け取りください)」の意。 |
※ |
二句切れ |