松も昔の友ならなくに ― 高砂の「松」は、長寿の象徴。「も」は、添加の係助詞。「昔の友」は、昔からの友人。「なら」は、断定の助動詞。「な」は、上代(奈良時代以前)に用いられた打消の助動詞。「く」は、その接尾語。「に」は、詠嘆の意味を含む順接の接続助詞。終助詞とする説もある。「ならなくに」で、「〜ではないのだから」の意。(注)「松も昔の友なら泣くのに」ではない。(参考)河原左大臣(源融)の歌にも「ならなくに」が用いられているが、こちらは、逆接の表現。藤原興風は、源融よりも後の人なので、「ならなくに」は、より古めかしい表現として用いられている。 |