小倉百人一首 - 俊恵法師
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俊恵法師
(愛しいあなたがいらっしゃらないせいで)一晩中、物思いにふけっているこの頃は、夜がなかなか明けようとしないで、(つれないのはあなただけではなく)寝室の隙間さえもがつれなくしているみたいです。
俊恵法師 (しゅんえほうし)
俊恵 1113〜? 平安後期の歌人。
源俊頼
の子。
経信
の孫。東大寺の僧であったが、経歴の詳細は不明。鴨長明の歌の師。僧坊の歌林苑で歌会を開催。平安後期歌壇の中心人物の一人。
○
夜もすがら ― 「すがら」は、最初から最後までの意。「夜もすがら」で、一晩中。
○
物思ふころは明けやらで ― 「物思ふ」は、恋の物思いをする。「ころ」は、状態が継続していることを示す。「明けやら」は、下二段の動詞「明く」の連用形+“すっかり〜する”の意を表すラ行四段の補助動詞「やる」の未然形。「で」は、打消の接続助詞。「明けやらで」で、なかなか明けきらないでの意。
○
閨のひまさへ ― 「閨」は、寝室。「ひま」は、隙間。「さへ」は、添加の副助詞。
○
つれなかりけり ― 「つれなかり」は、冷淡だ、そっけないを表すク活用の形容詞「つれなし」の連用形。
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