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陸奥 ― 白河関以北の地。現在の福島・宮城・岩手・青森の4県にほぼ相当する地域。 |
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しのぶもぢずり ― 「(捩摺)もぢずり」は、陸奥の信夫(しのぶ)地域で産した乱れ模様に染めた布。信夫摺り(しのぶずり)ともいう。ここまでが序詞で、「乱れそめにし」にかかる。 |
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誰ゆゑに ― 誰のせいで。「誰ゆゑに」の後に続くはずの疑問・反語の係助詞(終助詞とする説もある)が省略されている。その部分を補って、「誰のせいか」と訳す。 |
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乱れそめにし ― 「そめ」は、「染め」と「初め」の掛詞。「乱れ」と「染め」は、「もぢずり」の縁語。「し」は、過去の助動詞の連体形。本来あるはずの疑問・反語の係助詞と係り結びとなるため、終止形ではなく連体形となっている。 |
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われならなくに ― 「な」は、上代(奈良時代以前)に用いられた打消の助動詞。「く」は、その接尾語。「に」は、詠嘆の意味を含む逆接の接続助詞。終助詞とする説もある。「われならなくに」で、「私のせいではないのに」の意。「あなたのせいだ」という内容の表現が省略されている。(注)「私なら泣くのに」ではない。 |
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倒置法 |