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来ぬ人を ― 「来(こ)」は、カ変の動詞「来(く)」の未然形。「ぬ」は、打消の助動詞「ず」の連体形。 |
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まつほの浦の ― 「まつ」は、上を受けて「待つ」、下に続いて「松帆の浦」となる掛詞。 |
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夕なぎに ― 夕方に海風から陸風にかわるときに起きる無風状態。 |
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焼くや藻塩の ― 「や」は、詠嘆を表す間投助詞。「藻塩」は、海水を滲みこませた海藻を焼き、水に溶かして煮詰め、精製した塩。「まつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の」は、「こがれ」の序詞。 |
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身もこがれつつ ― 「こがれ」は、「藻塩」が焼け焦げることと、「(わが)身」が、恋い焦がれることを掛けている。「つつ」は、反復の接続助詞。「焼く」、「藻塩」、「こがれ」は、縁語。 |
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本歌取 |